T商の演奏会を聴きに行く。
開場30分前から長い列ができているのを見て、思わず素通りして本丸広場に行き、一服する。
やっぱりやめようかと家に帰ろうと引き返したのだが、今度は静かだったので入ってしまった。
¥1.000の入場券を購入。
南砺の各高校では\500が相場、¥300のところさえあると言うのに破格な料金だ。
なにしろ全国的にもかなり有名になっているから大したものだ。
この市民会館、冷房装置が効き過ぎて寒かった覚えがあるが、今回もやっぱりそうだった。
周りの人は「寒い!」と言っていた。
外は暑く、夏みたいから、殆どの人は半袖シャツ一枚って感じ。
女の人は、何か羽織るものを用意してきているが男たちは無頓着だから
辛かったことだろう。
私は経験を活かしてジャンパーを用意していたので何ともなかった。
さて74名の大編成の演奏が始まったが、実にそつなく見事な演奏に恐れ入る。
上手すぎる!
T商だから、これが当たり前。
そんな感覚からか、どうも身構えてしまう。
あげくは優等生すぎるのが、おもしろくないのかもしれない。
南砺の高校の場合は、けっこうくだけているので笑いも出てくるが、ここではN響コンサートみたいな堅苦しさが漂っている。
先日、孫の運動会を見に行ったが、そこの生徒達は実にのびのびと明るい表情だった。
障害物レースの時なんかスタートと同時に、ひっくりかって倒れてしまう生徒がいたのでどうしたのかと心配してたら、横の生徒が今度は人工呼吸なんかしたりして…。
マジでどうしたのかと思ったら妻から「あんた、このジョークがわからんがけ?頭の固い!」と言われてしまった。
どちらかというと出来の悪い子達の学校なのでガラが悪いかと思っていたが、とんでもなかった。
挨拶はちゃんとするし、とにかく明るい。
もし、この学校で吹奏楽部をやるとしたら少人数のおもしろいバンドができることだろうと思う。
さて、演奏が終わったあと、感動して記憶に残る曲が思い浮かばない。
どれもこれもレコードを聴いているかのような感じだった。
三部のステージドリルショーも大変見事なものだった。
今では指揮棒を持つのは女子。もっともほとんどが女子だ。
とにかくどれだけ練習したものやら、高校生としては立派なものだ。
しかし、これも昔、富商のドリル演奏を見て感動したものとは違う。
なんなのだろう?
自分の感覚が変になったのだろうか、無感動になってしまったのだろうか…。
今一度、あの身体が身震いするほどのダイナミックな吹奏楽を聴いてみたいと思うのだった。