まだ小学生の頃のことだ。
二年前に亡くなった兄が盲腸で入院したことを思い出した。
何故に覚えているのかと言うと、その日が「節分の日」で病院の看護婦さんが廊下に「鬼は外、福は内」と豆を撒いていおられたからだ。
今の病院と違って、和風的な病院だった。
母が泊りがけで付き添いしたので、末っ子でべったりの自分も病院に一緒に泊まった。
そして次の朝、病院からランドセルを背負って直接登校したことが今でもすごく強烈に覚えている。
なにか全く普段とは違う環境に、ドラマの主人公にでもなったかのような気持ちだったんだろう…。