きょうの日本海は荒れ狂っていた。
危険を感じながらも恐々、岩場に下りてみると何やら際立って目に入るものが…。
何度も来ていながら初めてその存在に気が付いた。
「岩海苔採取遭難之碑」だった。
岩海苔は厳冬期に行われわずかな晴れ間の間に採取するのだが突然荒れ狂った波にのみこまれた人が何人もいたとのこと。
命がけで家族の生計の為に必死だった人達の苦労が偲ばれる。
観光客もいなく波の音だけが大きく響き、暗い海に恐怖感さえ沸いてきた。
そうここは松本清張の「ゼロの焦点」の舞台にもなったところだ。
しばらく、この後ろの東屋で思いにふけっていたのだが、「怪しい人」と間違われそうだった。
とにかく誰もいないのだから…。
土産屋の従業員の人からずっと監視されているのでは…と勝手に思ってしまったのだった。