息子夫婦が帰路に木曽路に寄った。
木曽路は40数年前に私たちが新婚旅行に行ったところだ。
22歳と21歳の幼い二人だった。
まだ今ほど観光化していない頃だった。
ジーパン姿で旅行にでるはずだったのに、結婚式の進行を頼んだおじさんから、そんな恰好で出られたら恰好が悪いし、まして普通電車では話にもならないと怒られ、一週間前にコースをひっくり返した。
お決まりのスーツ姿で特急電車に乗ってのスタートとなった。
「木曽路は山の中である」
行き交う人たちは、みんな若い人で身軽な服装だった。
スーツ姿でカバンを持っての歩きは似合わなかった。
見かねた茶屋のおばちゃんが「悪いことは言わないから、もうすぐバスが来るからそれに乗ったほうがいい!」と言われた。
とにかくどこからどこに歩いたのか、ほんとうの山道だった。
きのう息子たちが中津川に泊まったと言っていたが、私たちも中津川に泊まった。
懐かしいいなぁ…。
あの頃は妻も細く、すらっとしていた。
モデルみたいな妻に比べ、ダサイ田舎者の自分と釣り合いが取れず格好悪かった。
昭和47年10月にタイムスリップしてみたい…。