叔父の葬儀が終わり、ほっとしたのもつかの間、葬儀の日に兄が救急車で病院に搬送されていた。
きょう姉と見舞いに行ったが、かんばしくない。
ベッドに横になったまま点滴を受けながら息も絶え絶えに、しゃべる兄の衰えた姿にショックを受ける。
「水が飲みたい」と言うので妻が「吸い飲み」で少しづつ飲ませた。
伝えたいことがあるので、次から次とかぼそくしゃべるのだが、よく聞き取れない。
そのうちにまた「水」と言うので、今度は右側から姉が飲ませた。
そしたら兄が「恵子ちゃんのほうが上手や!」と、はっきりした声で言ったので笑ってしまった。
事実、妻は語りかけながら上手に飲ませた。
ひょっとしたら兄は甘えているのかとも思ったり…。
「疲れるから寝られ!」
そう言って別れてきたが…。
水よりも酒のほうが似合う兄だったのに、ほんとうにどうしたことか。
叔父の死、そして兄の急変で自分も何やら血圧が高くなって体調が不良だ。
友人と温泉に行く約束も、そんなことでしばらく遠慮することになった。