またまた寒気団の到来のようで、朝からあたりは強い風に襲われ猛吹雪。
こんな日は、ついずっと昔の日の母のことをおもいだしてしまう。
その日も、きょうみたいな天候の日で外は猛吹雪、そして強い風で家が揺れていた。
ほんとうに「風神」というものがいるのかと思わせるような暴れようだった。
何故か、幼い兄弟二人で留守番だった。
気丈な兄は怖がるそぶりも見せていなかったが、私はものすごく怖くって泣いていた。
母が買い物に出かけていたので、心配で、心配でならなく背戸の扉の近くで座り込んで泣いていた。
「ひょっとしたら帰ってこれないんじゃないだろうか?」
外は、ほんとうに一寸先も見えないほど真っ白だ。
「おっかちゃん!」
7人兄弟の末っ子の私は特別に甘えん坊で寂しがりやだった。
どれだけ泣きさけんでいただろうか。
そのうちに母が全身、雪に覆われて帰ってきた。
母は「どうしたがけ?」と笑って、あやしてくれた。
そしてグリコのオマケつきキャラメルをもらって、しゃっくりをあげるのだった。
何歳の時のことか、いつのことかはっきりしないが、あの猛吹雪の日の事は、ほんとうに今でも忘れないでいるのだった。