朝、目が覚めるとなんと8時半だった。
黙っていたらまだまだ寝ていたかも…。
雨の日は、よく眠れる…。
電話のベルが鳴った。
近所の人だったが妻は「コーヒー飲みにこない?」
「あと5分ほどしたら来て!」
大急ぎでパジャマを脱ぎ、玄関のカギを開けて、新聞を取り出して…。
ずっと前から起きていたような顔して…。
「おはようございます!」
コーヒー茶碗を片手に、新聞を読みながら、妻とその人との会話に何気なしに耳を傾ける。
一回りは年上の、その人の方が、よっぽど外に出ていて周りのことをよく知っている。
「Aさんが転んで死んでしまった…。」
すぐ近くの人だが、付き合いもなくよく知らない人のことだった。
明日は我が身かと思う年配の人は、こんな身の周りの出来事には敏感だ。
新聞にも載らずに、いつのまにやら消えて行った人も多い。
何やら朝から暗い話だったが、天気もそのとおり一日中、暗かった。