姉から懐かしいものを頂いた。
なんと私たちの新婚旅行の時の、高岡駅の入場券だった。
昭和47年10月29日15:10発の特急「しらさぎ3号」に乗って、名古屋駅まで行ったのだった。
もう45年前の大昔のような話だ。
今ではすっかり観光名所になった「木曽路」の妻籠宿などを歩いて見るために行ったのだが、スーツ姿の二人には土地の人も黙っておれず「あんたら悪いこと言わないから、バスかタクシーに乗ったほうがいい!」と言われてしまった。
本来はジーパン姿で一泊目は宇奈月温泉に普通列車でいくつもりだったが、「頼むから特急電車ででてもらわんなん、格好がつかん!」と言われ、急きょスーツ姿に特急電車となってしまったのだった。
コースも一週間前に逆方向に無理を言って直してもらった。
「明治村」を廻って、中津川、日本ライン下り、馬籠、妻籠、南木曽、松本、浅間温泉…。
紋次郎さんのように、ほんとうに昔の街道をひたすら歩くつもりだった。
ハイキング姿の若者たちにはすれ違ったが、私たちのようなスーツ姿の者は珍しかった。
最後は言われた通り、ちょうど来た路線バスに飛び乗って「南木曽駅」に行ったが、確かに正解だった。
何も知らない、怖いもの知らずの若さ故の行動だった。