中田町を通っていて、珍しい光景に出会った。
お雛様のように祭壇が飾ってある。
こんなのが、何ヶ所も見られた。
「地蔵まつり」
子供の頃、やった覚えがある。
児童クラブが主体となって、子供たちが自由になれる祭りだった。
ゴザで囲った地蔵尊の裏では、漫画を読んで、お菓子を食べて仲間とふざけあったり…。
時々、漫画に飽きると表に出て「賽銭」を集めに出かける。
提灯を片手に、道を行く人々に近寄り、「おんぞはんのお賽銭くだはれ!」と道を塞ぐように半ば強制的に「お金(賽銭)」をせしめるのだった。
今の時代の「赤い羽根募金」どころではない。
くっついて離れず、取れるまで後についていく。
高学年になると、やくざの親分みたいなもので表には出ず、「賽銭」を集めるのは低学年の仕事だった。
これには縄張りがあって、絶対に他町内には行かない。
千保川の横田橋は隣の中島町との境界線。
この中島町とは、よく小競り合いをしていたから普段から、この橋を渡るときは気を付けていた。
川向い同士で何故か仲が悪く、よく石を投げあってガラスを割ってしまったり、気が付いたら後ろから来ていてボカボカと殴られてしまった。
たぶん長い歴史の中で「川」がもたらす因縁が延々と子供にも引き継がれているのかも。
そんな昔の思い出がよみがえってきたが、子供たちの姿が見えなかったのが残念だった。
提灯を持って近づいてきたら小銭くらいは出してやろうとポケットの中を探っていたのに…。