義母が一度しか使わず残していった「餅つき器」で天神さんに供える鏡餅を作ることにする。
昨年から、やってみたいと思っていたのだった。
きのうの晩から「餅米」5合を水に浸しておいた。
機械の横に書いてある説明文を読みながらの初めての挑戦だ。
要領がわからずモタモタするが何とかセットしてスイッチオン。
しばらくしてブザーが鳴り、米の蒸しが終わったようで、今度は本番の「つく・こねる」のスイッチオン。
おもしろい!
横に広がったり、丸まったり、激しく動き回り、今にも器から飛び出しそうな勢い。
程よく丸まったところでスイッチを切り、取り出すのだが、これからが大変だった。
私は片栗粉の粉を使って丸めようと思っていたのだが妻は、すぐにサランラップに包んだほうがいいと言う。
そのほうがカビないと言うのだ。
しかし素手で、つきたての餅を持つと指にへばりついたりして、うまくいかない。
広げたサランラップに乗せたころには何やら、くちゃくちゃな状態となってしまった。それでも何とか鏡餅らしい恰好になる。
二人でこんなことをやりながら、餅作りが楽しみだった義母のことを想い出す。
「もう、餅はつくらん!」と言いながら、この機械を買ったのはいつだったろうか、幾つ目だったろうか。
何でも、ろくに説明書も読まずに使うから、すぐに壊してしまうのだった。
「ばあちゃんの作った、あんこの入った草餅、おいしかったね」
意外と難しかった鏡餅作りで、義母の餅作りの苦労がわかった。
今度はある程度取り分けてから再度、機械にいれて丸くこねれば、きっと恰好のいい鏡餅になるだろうと思う。
残った餅米をまた水に浸して、あすもやってみようと思う。
うまく行けば、年末のいいアルバイトにもなるかも…。
新しい家での初めての天神様。
みかんがなかったので「ゆず」を供える。