午後から晴れてきた。
きょうもどこかで祭りがないだろうか…。
そう思っていると古城公園で「朗唱の会」が始まったとのニュース。
そうだ、行こう。
例年、このイベントでは会社にいた「M女史」が飲食コーナーで活躍している。
あえて「M女史」というのは、ほんとうに頭の切れる人だったから。
「生き字引」とまで言われ、寸時に在庫状況、取引状況などを言ってくれた人だ。
60になった時、あっさりと辞めた。
誰もが「お局」として永遠に在籍するものとばかり思っていた。
社長も必死に止めたようだが決意は固く、なんとも引き際の良い去り方だった。
私とも何かとぶつかったこともあったのだが、お互いに会社を去った身となった今はすごく良好な関係となっている。
古城公園に着いて真っ先に彼女のいる飲食コーナーに行った。
「おごるから何でも食べて!」
「じゃぁ、まずはビールに何かおつまみを」
こんにゃくの味噌田楽をつまみに、おいしくいただく。
会社のことなどを懐かしく語り合っていると、あっという間に時間が過ぎた。
帰りにお礼に「お寿司」を二折買う。
「あら、お金を使わせてしまったね、ごめん」
「いや、オラお金いっぱい持っとるがやから、心配せんでもええが!」
そう冗談を言って笑顔で別れたのだった。
一年に一度、ここで会うのが慣例になってしまったようだ。
「朗唱の会」はきょうから4日まで夜通しやっているという。
詩吟でもやられるのか刀を腰に差した勇ましい格好のご婦人に、憧れの眼差しを送る。
宝塚のトップスターのように輝いていた。
いろんな人がいて、それをみているだけでも実に楽しい。
やっぱりこれも「祭り」だ!