鳥倉神社からの林道は、すっかり変わってしまった。
途中で工事が行われていて大型のショベルカーが道を塞いでいた。
「もう、ここまで来て戻るのは嫌だから何とか通して!」と言ったら大きな体の外人が出てきて、流暢な日本語で「わぁ、こんなとこに人が来た!それも自転車で、すごい!」と驚きの表情を見せた。
意外と体に似合わずやさしく、自転車を軽々と持って運んでくれた。
「この先に何があるの?」と聞くから、
「元取山って山があって、その山頂の眺めが最高ながやぜぇ!」
「そこで今から肉焼いてバーベーキュや!」
と言ったら笑っていた。
道はぐちゃぐちゃな状態で、やっぱり神社側からの入山はよしたほうがいいと再確認した。
カマキリ、死んでいるのかと思ったら動いた。
ゆっくりと4時頃までいようかと思っていたのだがクマンバチが二匹、何度も出てきて顔のまじかまでブンブンと音をたててくるので嫌になった。
おとなしいとは聞いているが蜂には二度もやらって痛い目に遭っていて医者からは「今度は危ないから救急車でこんなんほどや!」と言われているので恐ろしい。
頂上にいる間の2時間あまり誰も来なかったのに、帰ろうと下ったらすぐに一人の男性が登ってきた。
86歳の地元のじいちゃんだった。
自転車が珍しく何度も何度も感心していた。
じいちゃん、下から歩いてきたのかと思ったら、林道に車が停まっていた。
ドアは開けっ放し、トランクも開いていて、やっぱりまさかこんなところに人は来ないだろうとのことなんだろう…。