兄の見舞いに市民病院に行く。
4階でエレベーターから降りた途端に、ものすごい警報音とライトの点滅!
何がなんやらわからずボーツとしていたら「火災警報」とのこと。
あまりにもタイミングが良すぎた。
看護婦さんたちも飛びだして右往左往。
一瞬、なにか疑われるかと心配だった。
「オラ、何も悪いことシテマセン!」
兄の部屋に行くと、そんな騒ぎも知らぬ雰囲気で大きな口を開けて寝ていた。
死んでいるのか…、と思うくらいだった。
「お~い、元気か!」
そう声をかけると、やがて眼を開けて口も閉じた。
何か話そうとするが言葉にならない…。
しきりに何か言っているのだが、さっぱりわからない。
そのうち大きくため息をしていた。
「疲れるから寝られ!」そういうのが精いっぱいだった。
少し遅れて姉もやってきた。
今度も何かしゃべろうとするのだが姉もやっぱり理解できない。
でも話しかけると、少し笑顔をみせた。
看護婦さんを呼ぶ、非常ボタンをしっかり握っている姿が、何とも言えなかった…。