久しぶりの碧空に感激。
あっという間に雪は溶けていく。
この時期になると思い出すのは幼い頃のこと。
小学校高学年の頃だったろうか。
YKKファスアーが衣装に使われるようになって急速に変化が出てきた。
それまで冬の恰好と言ったら男は黒、女は赤の「マント」だった。
「小田原マント」って言ったかな…。
それがファスナーの付いた「アノラック」と言うのが流行ってきたので、いつまでも兄のお古の「マント」を着ているのが、とっても恥ずかしくってならなかった。
朝、近所の同級生が迎えに来るのだが、土壇場まで嫌だと言ってすねていたものだ。
結局は泣く泣く、「マント」を羽織っていくのだが、ほんとうに全生徒の中でもわずかな数の一人だった。
五男坊の身分だから仕方がないが、いつも兄たちの「お古」ばっかりで、ほんとうにみじめな思いをした。
でも親は精一杯だったのだろうと今になっては思う。
ボロつぎのあたったズボンなんか今の子供は想像もつかないことだろう。