てっちゃんの「きときと日記」

毎日が楽しい日曜日!

母の生家

きょうは暖かい

陽気に吊られて自転車でフラフラと出かけたが、何故か近頃はこの方面になると自然と足が向いていく。

母の生まれた家。

私の祖父、祖母がいた家。

先日は道を間違ってたどり着かなかった。

昔は一本道で行けたところだ。

よく母が言っていた。

「この道を歩いていたら、よくヘビに追いかけられた。」

「それでどうするの?」

「まっすぐな道でない、くねくねした道だから曲がり角でヘビをごまかせる、ヘビはまっすぐしか見えない」

「へぇーっ!」

今では真直線な道路になっており、いつのまにやら住宅が所狭しと建っている。

きょうは道順がちょっと間違って裏の方から来たが、間違いなく母の生まれた家の所にたどり着いた。

何とその家の前に来ると、若い人とその子供が数人、賑やかにはしゃいでいる。

誰なんだろう?

いとこの健ちゃんがいなくなってしまって、まったく縁がなくなってしまった。

家の前に流れる小川は今も変わらない。

健ちゃんがモリで魚を捕ってくれた小川だ。

小川を渡ると左に灰小屋があって、ちょっと進むと右手に馬小屋があった。

今はもちろんそんなものは無く、新しい家が建っていた。

「こんにちわ!」

そう言って入っていってもいいのだが、何故か躊躇した。

全く知らない人たちだ。

ほんとうは外からでも、ゆっくりと眺めてみたいと思ったが早足で逃げるようにその場を去った。

祖母が草餅を作ってくれた想い出、祖父が脱穀していて健ちゃんと喧嘩していた想い出。

次から次へと幼い頃の懐かしいシーンが浮かんでくる。

数百メーター進んだ所は何と夏休みに遊びに来ていて、朝早く健ちゃんとラジオ体操に来た場所だった。

新しい家が並んで昔の面影がないように見えても、やっぱり何か今でも残っている物がある。

自転車を走らせながら何故か涙が出てきた。

こんなもんなんだろう。

今の私の家だって、可愛いミーナも全く縁が無くなってしまう時期がやってくるのだろう…。

数十年後、雄也、竣也も今の私のような感傷を味合うのだろうか…。

「人のいい、馬鹿な酒好きな、じっちゃんがいたなぁ」

そう言って、想い出してくれるだろうか…。