TVも消して、二人でラジオを聞いていた時だった。
妻「この頃またSPEED、出てきたね!」
私「えぇ?水道がどうした?」
妻「うんもーっ!嫌!」
ラジオはちょうどSPEEDの歌が流れていた。
この頃は、いつもこんな感じ。
耳が遠くなった(というか難聴)私には音は聞こえるのだがイマイチ、判断ができないことが多い。
何度も聞き返したり、間違って判断したりして妻の怒りを買ってしまっている。
逆に都合の悪いことは聞こえないからいいのだが…。
耳は遠くなってから、静かなところは嫌いになった。
シーンと静かなところでは耳の中ではキーンと金属音みたいのがより増幅してくる。
かえって賑やかなところのほうが、金属音をごまかされるからいい。
耳の検査では、どんな小さな音でも聞き漏らさず自信たっぷりだったのに、いつ頃からか聞こえなくなり首をかしげるようになってしまった。
「難聴ですね!仕事中は騒音の中にいるときは防音用の耳当てをしてください」
銅を溶かす炉が重油炉からガス炉になった頃からだろうか。
ジェット機の音みたいゴーッと言うすごい騒音だった。
そう言えば以前、職場にNさんと言う人がいた。
「オラ、戦争中に大砲ばっか打つとったから耳、やられてしもうた!」
あの人も、よく会話が合わないので、おかしいと思っていたら難聴だった。
話が通じないときは何故か笑ってごまかしていたっけ。
そうか、私も怒る妻に笑ってごまかそう…。