仕事もリタイヤした今は「新年会」と言うものが縁がなくなってしまった。
今年初めての待ちに待った「新年会」があった。
町内の新年会だ。
呑べえいの身からすれば昼からの宴会はどうかなぁと思うのだが、若い人が増えたここ最近は開始時間がお昼まじかとなっている。
11時半なのだが間違って早く来た人、遅れて来た人…、始まったのは12時だった。
自分も役員をやってきたからわかるのだが、こんな世話が一番大変だ。
乾杯のビールをコップに注いだのに、なかなか音頭がかからない…。
アル中一歩手前の身にとっては、その間がコップを持つ手が小刻みに震えて辛かった。
ビールばっかりで日本酒はないのか?と役員に聞くと、ようやく湯飲み茶碗が差し出された。
「越の寒梅でーす!」
なんとどう間違ったのやら、こんなところでこんな高級な酒が…。
今年の区長は下戸な人と知る。
澗された「越の寒梅」がポットに入れられているようだった。
それからどれだけ呑んだのだろう…。
近頃の若い人は、あまり酒は呑まない。
と言うか、こんな酒宴も得意でないようで会話が出てこない。
横にいた同年輩の人と酒を交わす。
二番目の兄と同級生という人と懐かしい出身地の町の話に盛り上がる。
こんな話は当事者同士でなければわからないことばっかりで話は幼少時代まで遡ってしまう。
懐かしい、近所の人の名前が次から次へと出てくる。
ひょっとしたら子供の時代に会っていたのかもしれない。
始まって一時間半あまり、ようやく本調子になった頃なのに、もうなにやら「中締め」のような挨拶。
以前だったら、これからが本番と構わずに居座っていたのだったが、半ば隠居の身分の者にしたらこれが引き際と、隣の同年輩の人たちと重い腰を上げる。
席が離れていたので口を交わす間もなかった人たちとようやく帰り道、お互いの健康を語りあう。
きょう来ていなかった人の事を心配しながら、ことしも元気で過ごそう、励まし合う。
家に帰って一休み。
そう呑んだつもりはないのだが、ここ最近は晩酌も一合あまりなので久しぶりの宴会の酒は堪えた。
あげるほどでもないのだが、どうも胸のあたりがすっきりせず…。
久しぶりだ、こんな感じは。
若いときは、いつもそうだった。
呑んでは吐いて、凝りもせず、また呑んで…。
やっぱり、いい歳なんだなぁ。
きょうは66歳の誕生日でもある。
これからは身体を大事に、健康第一に暮らしていかねばと、つくづく肝に銘じるのだった。